日本の起業数は米国に比べると

 

各段に低く、且つ起業3年で約5割が廃業。

 

なんと5年もすると生存率2割と言われています。

 

また米国では廃業する会社より、起業する会社数

 

の方が多いのですが、日本の場合は逆です。

 

これは先行きこの国は大丈夫か?と不安になりますね。

 

このブログではどの様にしたら会社の寿命を

 

延ばす事が出来るのか? にフォーカスします。

 

会社の寿命が長い米国の事情    

米国での活発な起業数を冒頭でご紹介しました。

 

人口も法律、文化が違う国との単純比較はできませんが、

 

米国でのコンサルティング・ビジネスの規模は10兆円です。

 

かたや日本では、2,000億円。

 

歴然とした差があります。

 

米国では、1人起業の街のパイ屋さんから、多国籍企業まで

 

外部の専門家のコンサルティングを受け入れるのは常識なのです。

 

なぜならば、人間は自分の事が一番理解していないのです。

 

ある統計では、自分の理解率は4%と言われています。

 

ここで外部の専門家が、残り96%を引き上げてくれたら、

 

どうでしょうか? 合理的に成功しますよね。

 

会社の寿命を縮める職人経営

 

日本の起業の大きなうねりは、戦後の焼け野原から、

 

生活のために起業した復員の方が多かったそうです。

 

なかには、今でも継続している会社もあるかもしれません。

 

しかし、その多くは「料理が出来るからお店を開いた」

 

みたいな職人が経営しているスタイルなのです。

 

その傾向は、今でもそんなに変わりません。

 

経営を本格的に学んでいないために、

 

見様見真似で起業し最初は順調でも、

 

次第に「金、人、物」のどれかの大きな問題に

 

ぶつかり解決できずに廃業または倒産となるのですね。

 

日本の会社は米国と違い、まだまだ外部の専門家に経営支援を

 

依頼することを「コスト」と思っているようです。

 

当然米国ではコストではなく「投資」となります。

 

「出た利益から再投資をして、利益を更に大きくする」

 

経営の本を読んだ事がある方なら、当たりまえの事なのです。

 

会社の寿命を縮める典型的な事例

 

ここからは、私の知り合いの士業の先生から

 

実際に聞いた士業を「コスト」扱いにしたために

 

自ら機会損失をした事例を紹介します。

 

1人目は税理士さんです。

 

当然業務は、顧問先の毎月の試算表作成や

 

決算書、納税となります。

 

税理士業界も今は、税理士登録者数の増加、

 

会社数の減少、ITクラウドの普及で平均の報酬が

 

減少しているそうです

 

その税理士さんが言うには、新規顧問先はどうしても、

 

他の税理士と比較され価格競争になるそうです。

 

そうすると、税理士さんも生活があるため、

 

沢山の顧問先を確保しなければならない事になります。

 

そうすると、1社に掛ける時間が減る事になります。

 

その税理士さんは、「税制改正」に詳しく本当は顧問先と

 

じっくり向き合い、節税のアドバイスをしたいのですが、

 

時間がとれずに単なる帳簿作業化しているのが悔しいそうです。

 

これは本当にもったいない話です。

 

その税理士さんは1社、1万円で顧問先の帳簿を付けているのですが、

 

もし税務アドバイザーとしてプラス2万追加して、有利な節税対策の

 

戦略ミーティングを月1回行い、年間24万円以上の節税が

 

出来れば、効果があった事になります。

 

しかも、その効果は粗利ではなく、丸々「利益」となります。

 

利益を24万円稼ぎ出すには、粗利を少なくても

 

その3倍を稼がなくてはなりません。

 

売上ベースだと、さらにその数倍です。

 

ちなみにその税理士さん曰く

 

「従業員50名以下の製造業で、年間売上5億円規模の会社でも

 

 100万円以上の節税は可能」と言ってました。

 

最優秀な営業マンを月3万円で雇うと一緒だと思います。

 

また、毎月1回専門家である税理士とミーティングを行えば、

 

その経営者も税務に関して詳しくなり、知人の経営者にレクチャー

 

してあげることで、一目置かれる事になりませんか?

 

しかし、この様な顧問契約をしているのは、ごく僅かで、

 

殆どの顧問先の経営者は顧問報酬を「コスト」と捉えて、

 

少しでも安くしようとするマインドの方が多いそうです。

 

これは機会損失と言って過言ではありません。

 

税務署は、わかっていても絶対に税金が安くなる方法は

 

教えてくれませんから。

 

そもそも税理士免許をとるのに主要5科目を

 

1科目当り1年~2年以上かけ、

 

どんなに早い人でも7年は掛けて

 

税理士免許を取得するわけです。

 

我々から見たら、税のプロフェッショナルなのです。

 

そのプロフェッショナルと必ず関わらなければ

 

ならないのですから、あなたの会社に絶対にいない

 

社外の専門家として利益をもたらすパートナー

 

として位置づけたらどうでしょうか?

 

2人目は中小企業診断士さんから聞いた話です。

 

先ほどの税理士さんの話しと同様に、

 

報酬をコストと見なし、自ら機会損失して事例です。

 

その中小企業診断士は、ある会社と毎月1回、

 

3時間位訪問し、経営相談業務をしていたそうです。

 

ある日の面談でその会社の経営者から、

 

投資にお金が必要で取引銀行に融資の相談をしたところ、

 

直接融資を断わられ「信用保証協会の保証付き融資」

 

をすすめられたのだそうです。

 

もし、金利が低い、直接融資(プロパー融資と言います)

 

を通すならば、「事業計画書」の作成と説明がいると

 

銀行の担当にいわれたのです。

 

その会社は事業計画書を作った事はなく、

 

すべて経営者の頭の中にある事が

社員へアウトプットされ運営されて来たのです。

 

ですから事業計画書の作り方を経営者含め誰もわかりません。

 

その経営者から、直接融資で借入をしたいので、

 

事業計画書の作り方をその中小企業診断士に依頼しました。

 

しかし事業計画書を作ったことがない会社に、

 

最初から作るのは大変な作業となります。

 

そこでその中小企業診断士は、経営者と幹部社員を集めて、

 

事業計画書作成プロジェクトを提案しました。

 

もちろん自分もコーディネーターとして関わるため、

 

3時間の訪問を6時間に増やし、

 

報酬も5万円から10万円になる話しをしました。

 

するとその経営者は、怪訝そうな顔つきで、

 

今まで通リの3時間の中で、

 

「事業計画書の作り方」を教えてくれれば、

 

あとは「自分達」で作成するとの事でした。

 

仕方がないので、その中小企業診断士は

 

「事業計画書の作り方」のマニュアルを渡し、

 

一通り説明を行いあとは会社のほうで

 

対応することになったそうです。

 

しかし、その後3ヶ月が経過したころに、

 

銀行との直接融資はどうなりましたか?

 

と質問をすると、ばつが悪そうにその経営者は

 

「自分達」で作成した事業計画書が銀行の意向通りに作れず、

 

時間的な制約もあり、信用保証協会の信用付融資で

 

銀行から借入する事になったそうです。

 

信用保証協会の信用付融資は、金利とは別に信用料が必要です。

 

金利が安い現在は、信用料のほうが高くなるかもしれません。

 

この事例は、たった5万円をコストとみなした結果、

 

2点の大きな機会損失をしています。

 

①.事業計画書を「自己流」で作り、銀行に認めてもらえず

 

  本来払わなくても良かった金利を支払う事になる。

 

  それは借入金完済まで毎月利益を圧迫する事になる。

 

②.「自己流」でなく「正しい」事業計画書とその運営方法を

 

  取り入れていないため事業計画に基いたP.D.C.Aサイクルを

 

回す仕組が不完全。

 

もし、逆に中小企業診断士が全面的にバックアップし、

 

仮に下記結果となったら如何でしょうか?

 

①.銀行が納得する事業計画書が完成し、最優遇金利の融資を受けられた。

 

 (今後もそうなる可能性大)

 

②.事業計画書を計画通りに回す仕組(P.D.C.Aサイクル)が確立し、

 

  ムリ、ムラ、ムダが無くなった。

 

如何でしょうか?

 

会社の寿命を縮める=利益の減少=機会損失を自ら作る。

 

この様な事が、日本の社会では、ゴマンと横行しています。

 

あなたの会社を客観的に見てくれる専門家は、

 

あなたの会社の外部の経営幹部として投資をして下さい。

 

「自己流」「職人的経営」が確実に会社の寿命を縮めます。

投稿者プロフィール

丸山 一樹
丸山 一樹
丸山未来経営研究所(経産大臣認定 経営革新等認定機関) 所長 /大手自動車部品メーカーを経て独立。中小企業の社長の「ビジョン」を言語化し経営数字で裏付けするキャッシュフロー経営導入支援が専門。
社長の「社外NO2」の役割を新入社員の給料以下の報酬で意思決定に関わるキャッシュフロー経営導入支援パートナーとして活動中。