「下請け」のビジネスモデルにあなたは

どんなイメージがありますか?

 

元請親企業から仕事を依頼されるので安定している。

 

一度、元請ー下請けの関係を作れば営業要らずで、

 

人件費を中心とした固定費が掛からない。

 

中小零細企業にはこのビジネスモデルが適している。

 

などのメリットがありますね。

一方、主従関係に近く、毎年値引きを強制される。

 

元請の指示ミスにも関わらず、不具合が起きるとやり直しさせられる。

 

厳しい納期を常に要求される。

 

これらを断わると、仕事が来なくなる恐怖感が常にある。

 

などのデメリットもあります。

衰退するビジネスモデル「下請け」

高度経済成長期にはこの「ピラミッド型」と言われる元請、下請けの関係が

 

あらゆる業種で日本の経済成長を支えてきました。

 

しかし、バブル崩壊、リーマンショックを経てこの構図は

 

無くならないにしても衰退するビジネスモデルと言えます。

 

私は製造業である自動車部品メーカーに長らく従事し、

 

その兆候は90年代後半に既に感じていました。

 

それは、沿岸部を経済特区として資本を受け入れた中国の政策転換でした。

 

当時パラダイムシフトとも言うべきこの政策は瞬く間に広がりました。

 

以前在籍していた会社が1997年に広東省に工場を稼働した関係で、

 

初めて中国大陸に渡りました。

 

それから,年1回のペースで10年位中国へ出張へ行きましたが、

 

その成長のスピードは驚くべき速さでした。

 

1997年当時は日本からの直行便がなかったので、用事もないのに香港に入国し

 

そこからフェリーボートかバスで再度入国しなければなりませんでした。

 

入国後、車で移動するのですか、高速道路の様な道も、

 

途中から舗装されていなかったり、走る車のマナーの悪さは今でも覚えています。

 

また当時は欧米の企業が日系よりも進出が早く、

 

中国の市場をいち早く掴んでいました。

 

それが年を追う事に、高速道路は整備され、運転マナーも徐々に改善し、

 

広州にハブ空港が開港し、日本から直行便も飛ぶようになりました。

 

たった数年で、日本の昭和30年代の世界が80年代へジャンプしたような早さでした。

 

話を戻すと、製造業とりわけ自動車の業界でいうならば、

 

欧米メーカーに遅れる事2000年代に日系自動車会社も

 

中国に工場を建設し生産を開始しました。

 

当然、主要部品を供給する1次取引先と言われる大手自動車部品メーカー、

 

その2次取引先も進出を開始します。

 

自動車の部品は約3万点の部品から構成されています。

 

部品メーカーは1次取引先から2次、3次、4次という、ピラミッド型で

 

成立しており日本の全製造業の10%の人が従事しているといわれます。

 

車は人の生死に関わる商品ですから、部品の品質や耐久性を

 

自動車メーカーは重視します。

 

ですから、中国で生産している日系の自動車メーカーも

 

主要部品は日系の1次取引先から調達します。

 

中国に進出した部品メーカーは当初、中国現地部品メーカーの

 

品質があまりにかけ離れていたので、日本から材料や部品を輸入し、

 

組立のみを行い自動車メーカーに供給をしていました。

 

しかし、中国の進化のスピードが早いのと同じで、

 

現地部品会社の実力は日系に引けを取らないようになりました。

 

家電業界などでは、かなり早い段階から現地の部品を採用し、

 

価格競争に対処してきました。

 

中国現地部品メーカーの進化は、リタイヤした日系部品メーカーの

 

社員を積極的に雇用し技術力や品質管理能力が向上したのも要因です。

 

現時点またはこれから何が起きるかと言うと、

 

先程部品メーカーのピラミッド型の構図の解説をしましたが、

 

1次、2次取引先は中国に工場を進出していますので、

 

業量の確保は心配ないでしょう。

 

しかし、2次メーカーが購入する3次メーカーと言われる部品は

 

現地の部品メーカーの品質向上でそこから購入する時代にもはやなっています。

 

また、中国国内の人件費高騰で1次取引先が利ざやを稼ぐために、

 

2次メーカーから購入していた部品を内製に切替、

 

量の効果を追求する事も始まっています。

 

そうなると同じく3次メーカーと言われる部品メーカーからの調達も減少します。

 

日本国内については、次章以降で詳しく触れますが、

 

少子高齢化で既に生産台数は頭打ちで、今後緩やかに減産傾向になります。

 

そうなると、冒頭で書きました、下請けのメリットは、

 

今後無くなる事になりデメリットのみ残る事になります。

 

まとめますと、日本の下請ビジネスモデルは高度経済成長期のような

 

スケールメリット」があったから成立していたのです。

 

これからの「低度経済停滞期」には機能不全を起こす事は目に見えています。

 

ですから、「脱☆下請経営者」として今までの殻を破り、

 

新しいビジネスモデルにチャレンジする事が環境変化に適応した経営者となるのです。

 

「種の起源」でチャールズ・ダーウィンは

 

生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。

 

それは、変化に最もよく適応したものである。」と名言を残しています。

 

あなたの会社は生き残る種となるため、

 

どのように環境の変化に適用しようとしていますか?

 

毎週月曜日に「脱★下請け経営者の道」を事例を挙げながらご紹介しますので

お楽しみに!

投稿者プロフィール

丸山 一樹
丸山 一樹
丸山未来経営研究所(経産省認定 経営革新等認定機関) 所長 /大手自動車部品メーカーを経て独立。中小企業の社長の「ビジョン」を言語化し経営数字で裏付けを行いビジョン実現の後押しする。
社長の「社外NO2」の役割を新入社員の給料以下の報酬で意思決定に関わるキャッシュフローコーチⓇとして活動中。