有利な融資のお話経営者100人に融資が必要になった時、誰かに相談しますか?

と言うアンケート結果は次の通りです。

◎融資を申し込む際、誰かに相談しますか?
相談しない 78%
税理士に相談する 18%
その他 4%

◎なぜ融資について誰にも相談しないのですか?
相談したいが相談する相手がいない 98%
その他 2%

◎適格にアドバイスする人がいたら相談しますか?
する 100%

◎融資について自分が相談を受けた際に適切なアドバイスが出来ますか?
できない 86%
できる 9%
その他 5%

「銀行融資を3倍引き出す!小さな会社のアピール力」
東川仁著より

結論
融資について相談できる相手がいない・・・

融資の掟 その1

金融機関の支店長に対して、

「新規で融資取引を開始する上で、一番何を重要視しますか?」と尋ねると、
ほぼ全員が、「経営者です」と答えます。

それほど、金融機関にとって、経営者というのは、
融資判断をする上で、とても重要なポイントとなります。

特に中小企業に対する融資の場合は、この傾向は顕著になります。

経営者とは、ただ人に命令するだけではなく、チームの意識共有や
目標達成までの道筋の提示を行い、与えられた任務を遂行するリーダーでもあります。

結果はもちろんのこと、同時にチーム全員のモチベーション維持や、
個々の成長も考えなくてはなりません。

そんな金融機関が経営者に求める資質についてまとめてみました。

(1)経営理念や具体的なビジョンがあるか?

(2)社員に対して愛情を持っているか?

(3)成長意欲があるか?

(4)目的達成意欲は強いか?

(5)数字にこだわっているか?

(1)経営理念や具体的なビジョンがあるか?

経営理念があるのとないのとでは、業績や会社の成長力に
大きな違いが出ます。

経営理念を明文化しておくことで、経営判断に迷ったとき、
自分たちが進むべき方向を明確にすることができます。

また、社員に経営理念が浸透していれば、個々の社員が主体的に
考え行動するようになるので、一丸となった強い組織を作ることができます。

それだけでなく、多くの方が共感できる経営理念であれば、
金融機関や取引先といった社外からの信頼を得ることもできます。

(2)社員に対して愛情を持っているか?

会社で一番大事なのは、「お金」でもなく、「技術やノウハウ」でもなく「人」。
社員を大事にする会社は、働いている社員も、その能力を
最大限発揮してくれるので、やはり、業績が良いです。

「人を育てる上でもっとも大切なものは「愛情」に尽きる」と、
京セラの稲盛和夫氏もおっしゃっています。

社員との結びつきが強い社長だからこそ、強い組織を
作ることができると、金融機関は考えています。

(3)成長意欲があるか?

業績を伸ばしている経営者に共通するのは、「成長意欲が高い」こと。
「今までと同じこと」を続けていても業績が伸びないことを
金融機関は知っています。

また、成長しようとしない経営者に、「成長しろ、挑戦しろ」
と言われても社員はついて来ません。

自己の成長のために研鑽を怠らないことも、
優れた経営者の条件だと考えています。

(4)目的達成意欲は強いか?

金融機関も、「なんとなく経営を行っている」社長と、
「成果にこだわっている社長」を比べた場合、
「成果にこだわっている社長」のほうが頼りになると思っています。

計画を立て、その計画を達成することにこだわる姿勢を見せるからこそ、
金融機関も全力で応援しようという気になります。

(5)数字に強いか?

金融機関の人間が一番嫌がるのは、数字に疎い経営者。

売上や利益のことを尋ねても、「それは経理に任せているから」
と言われると、「誰の会社なのだ」と思ってしまいます。

また、数字に疎ければ、「どんぶり勘定の経営者」と評価されるため、
融資についても厳しくなりがちです。

数字が苦手であっても、「実績数値」や「目標数値」を
メモして常に携帯しておけば、質問されたときには、
それを見ながら答えることができます。

そういった努力の部分も金融機関は見ているのです。

融資の掟 その2

今までは、融資を受ける際には、社長は保証人に入る必要がありました。

しかし、これからは、金融機関とのつきあいかたによっては、
社長が保証人に入らなくてもよくなるケースが出てきます。

もちろん、ただ、お願いするだけでは、保証人不要の
融資にはしてもらえません。

士業や私の様な専門家がサポートすることにより、それは可能になります。

金融機関が融資を行う上において、実務上で重要となるのが、
企業の実態把握です。

取引先の実態を把握するため、「企業概況表」「取引先概況表」
「信用調査書」というような名称の「実態把握シート」を作成します。

最近は、「事業評価性シート」というところも増えています。

この「実態把握シート」に加え、「財務分析」や「担保・保証の状況」
「他行取引の状況」「取引履歴」等の資料を基にして融資を決定します。

「実態把握シート」には、以下のことが書かれています。

(1)事業概要

(2)商流と業務フロー

(3)市場・業界の特性と動向

こういった現状を把握した上で、競合との比較を行います。

競合に比べ、勝っている点が多ければ、その企業は成長・発展する
確率が高いと考えられ、融資はスムーズに行われます。

しかし、現在、金融機関において、この「実態把握」が
十分行われていないケースがよくあります。

担当者の情報収集能力が低下しているからです。

不十分な情報で融資審査を行えば、その案件に対しての
融資判断は厳しいものにならざるを得ません。

なので、正確な実態把握をしてもらう必要があります。

(1)事業概要

事業概要を把握してもらうために伝えるべき情報は、

1.業種

2.取扱商品・サービスの内容と売上構成

3.会社所在地・規模・立地状況・所有・稼働状況

4.経営陣の経歴・関係・人物像

5.後継者の有無

6.経営理念・ビジョン・経営方針

7.株主構成

8.沿革

の8つです。

これらの情報は、金融機関は当然把握していますが、
更新していないことがほとんどであるため、定期的に
更新情報を「文書」で伝えておく必要があります。

事業概要を把握してもらうための資料として、「商業登記簿謄本」「定款」
「会社パンフレット」「組織図」「商品カタログ」
「WEBサイトのプリントアウト」を提出すれば、理解はより深まることになります。

(2)商流と業務フロー

商流と業務フローを把握してもらうために伝えるべきことは、
「商品・サービスの内容」「事業の特徴」「仕入先」「販売先」
「取引条件」「収益構造(儲けのしくみ)」です。

これらを「業務フロー表」という図にすることで、
金融機関は、より実態把握が出来るようになります。

(3)市場・業界の特性と動向

担保・保証に頼らない「事業性評価融資」をしてもらおうと思えば、
「市場・業界の特性と動向」に基づいた競争力の評価を
してもらう必要があります。

そのためには、自社の経営分析を行い、その分析結果を提示すべきでしょう。

そのための分析手法としてよく使われているのが「SWOT分析」です。

「市場や企業を取り巻く環境の変化」「その変化に対する競合先の対応」
「競合先の対応が自社に与える影響」を分析し、
内部の経営資源分析と併せて、「自社の対応方針」を明確にします。

銀行が企業の実態を把握できるような資料を、
企業側から積極的に提供することで、財務内容や担保・保証に頼らない
「事業性評価融資」をしてもらいやすくなります。

代表取締役の保証を外したいのであれば、
積極的に情報提供を行っていきましょう。

銀行の担当者が「実態把握シート」をスムーズに書けるようになれば、
融資もスムーズにしてもらえるようになります。

そのための情報提供方法にはコツがあります。

ちょっとしたコツを押さえることで、銀行はとても面倒見がよくなります。

融資の掟 その3

金融機関はいきなり来て、「お金を貸して欲しい」という企業には、
金融機関は相手にしてくれません。

取引のない金融機関と融資取引を始めるためには、
通常は、最低でも6ヶ月は必要なのです。

だから、普段から複数の金融機関とつきあっておくことが
とても重要になります。

複数の金融機関とつきあっておく理由は2つあります。

一つはリスクマネージメント。

金融機関は自分たちの都合で、突然、融資をしなくなる
ということはよくあります。

例えば、支店長が替わったとき。
支店長が替わって6ヶ月ぐらいは、あまり、積極的に融資をしたがりません。

支店長が、取引先の内容を把握していないから、
どうしても保守的な融資判断となるからです。

「しばらく様子をみてから検討させてください」
ということがよくあります。

しかし、会社にとっては、今、資金が必要なのです。

そんなときに、もう一つつきあっている金融機関があれば、
急場をしのぐことはできます。

金融機関が、一番いやがるのは、取引している正常先の融資を、
他の金融機関に肩代わりされること。

いくら支店長が赴任したばかりといっても、
他の金融機関に肩代わりされるぐらいなら、支店長が
取引先の内容をあまり把握してなくても、前向きに融資を検討してくれます。

金融機関が突然融資をしなくなる、もう一つのパターンは、
担当者が替わったとき。

担当者の出来不出来で、融資をしてもらえる確率
というのは、大きく変わります。

金融機関が融資をする際には、「稟議書」
という書類を担当者が作ります。

「稟議書」には、「この会社に融資しても、きちんと返済してもらえます」
ということを主に書きます。

稟議書の内容の説得力が高ければ、それを審査する立場の人たちは、
「承認印」を押しますし、説得力が低ければ押しません。

担当者の稟議書作成能力が、融資の可否に大きく関わってきます。

はずれの担当者に当たった場合は、融資をしてもらえる確率が
低くなることになります。

かといって、会社側から担当者を選ぶことはできません。
大抵は、地区ごとに担当者が決まっているからです。

はずれの担当者に当たっても、もうひとつつきあっている
金融機関があれば、これも急場をしのぐことはできます。

金融機関が突然、融資をしなくなるというパターンは、
これだけではありませんが、

知っておいてもらいたいことは、
「一つの金融機関に依存しているのは、安定した資金調達を行う
という意味において、とてもリスクが高い」ということ。

だから、複数の金融機関とつきあっておく必要があるのです。

如何でしたでしょうか?

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投稿者プロフィール

丸山 一樹
丸山 一樹
丸山未来経営研究所(経産大臣認定 経営革新等認定機関) 所長 /大手自動車部品メーカーを経て独立。中小企業の社長の「ビジョン」を言語化し経営数字で裏付けするキャッシュフロー経営導入支援が専門。
社長の「社外NO2」の役割を新入社員の給料以下の報酬で意思決定に関わるキャッシュフロー経営導入支援パートナーとして活動中。