社長の『社外戦略担当役員(CSO)』の役割を

新入社員の給料以下で価値提供する!

キャッシュフロー経営導入支援パートナー
丸山です。

冒頭の図は

「キャッシュフロー経営」を導入されている

中小企業の会社の社長が経営目標を描いたり、

業績を社員と確認、改善する時に使う

「お金のブロックパズル」です。

いきなりステーキの業績を有価証券報告書から解読

いきなりステーキに行った事ありますか?
シェフが肉を切っている写真が飾ってありますね

一時期は、かなりのペースで出店していたと
思います。

私の住まいの近くにも2店舗ありましたが、
1店舗はコロナ禍に「いきなり」閉店しました。

なぜ、いきなりステーキの業績が判るのかと言うと
上場企業なので、業績等を公開しなければ
いけません。

それが「有価証券報告書」です。

約90ページある資料から、3年分の業績推移を
並べてみました。

業績についての、詳細な説明は書いてありますが
90ページは読めないので、全く見ていません。

見なくても、図にする事でザックリ判ってきます。

1日掛けて入念に読み込むより、20分で方向性
が判った方が効率的です。

では、見ていきましょう!!

(株)ペッパーフードサービスが運営しています

その前に図の説明をします。

私が経営支援に入る時に、社長と必ず行うのが
この「キャッシュフロー健康診断」です。

決算書から経営判断に必要な数字のみ抜き出し
図にします。

普段は3年分を並べます。20分もあれば出来ます

そして、私が図を見て「目についた傾向と特徴」
を図に従い、9つの視点で書き出します。

(キャッシュフロー健康診断シートの一部を表示)

そして、それらをナゼそうなったのか社長に質問を
します。

そこで「考えれる原因」が浮き上がって来ます。

そして、それらをそのままにして起きますか?
と質問をすると、「そう言うわけにはいかない」と
スイッチが入り改善策を語り始めます。

そして、
改善策を実行した場合の1年後はどうなりますか?

と質問をして図を作ります。

これが、経営目標の初めの一歩になります。
ここまで60分~90分程度で出来ます。

では、いきなりステーキの業績の目に付いた特徴を
見ていきましょう!!

いきなりステーキは店舗名であって法人は
(株)ペッパーフードサービスが運営をしてます

コロナが原因か!? 転げ落ちる業績

(単位は億円)

1.売上

売上は311から189,148と約4割2割落込
んでいます。

凄まじい落込みですね。2020年4月~5月が
緊急事態宣言でした。

2020年の業績はこれが効いているのですね。

(図には無いですが19年売上675 利益-71
18年は売上635 利益38 )

21年もまん防が出ましたので、更に影響を受けて
います。

ただ、昨年の22年は何も出なかったし、居酒屋
にもいけるようになりましたよね。

なぜ、売上が更に低迷しているのでしょうか?

2.粗利

粗利率の推移は39.5% 47.1% 54.7%
となっています。

飲食店では、原価率30%と言われてます。
ですから、粗利率は70%あっても良いはずです。

ただ、19年、18年の粗利率を見ると50%台
なので利益が出ていた頃から相対的に低いです。

ここに問題のキーがありそうです。

3.固定費

3年間全て、粗利<固定費となっています。
これが赤字の構造ですね。

4.人件費

ここは労働分配率を見ます。
推移は55.3% 46.1% 50.6%です。

(有価証券報告書は役員報酬や法定福利費、
福利厚生費の記述がなかったので、実際には
もう少し高い可能性が有る)

粗利率と同等か以上となっています。

稼いだ粗利からどの位人件費に分配しているのか
と言うのが労働分配率ですから、これでは利益は
残りませんね。

5.営業利益

営業利益とは本業での儲けを示します。

(有価証券報告書では、コロナの補助金・助成金
が営業外収益にありますが、それは一時的なので
通常は本業の営業利益が重要)

3期連続赤字です。
(19年も赤字なので実際は4期)

6.キャッシュフロー

推移は55 44 19 です。
凄まじい勢いで減っています。

経常利益は見てないので、一概には言えませんが
税引き後利益から銀行の返済等をします。

この場合、返済出来ず手元現金が年々減少して
います。

7.借入残高

推移は67 41 18 と不思議に返済をしています。
コロナ融資だと3年間据置なので、23年から返済
が始まります。

これは銀行との話がどうなっているか判りませんが
キャッシュフローを減らす要因です。

コロナ融資は据置いているとして、以前からの借入
も条件変更しないのでしょうか?

ただ、借入残高はそんなに多額ではないようです。

これは、コロナが収まり利益が出れば、返済は
きつくないと思われます。

8.赤字の原因と今後の対策

確かにコロナが原因でこの3年間は厳しかった
と思います。

ただ、本当にそれだけでしょうか?

当然、推測にはなりますが粗利率がびっくり
する位低いです。

いきなりステーキは、出店数を伸ばして来た
イメージがあります。

それと、「いきなり〇〇」と言った模倣店も沢山
有るそうです。

それに負けじと過剰な出店をされたのでしょうか?

すると、必要とされる市場に対し供給過剰と
なり、全体の売上は下がります。

粗利率の向上

ステーキは単価が高いフードですよね。
実際の価格はどうなんでしょうか?

また、頻繁に頂く食べ物ではないので特別な日
とか仲間とステーキなんてお金が使える時に
頂くので、粗利設定を見直した方がいいです。

いずれにしても、現在は低すぎます。
60%以上になるためには、どうしたらいいか?

それを証拠に、同じ牛肉でも低価格が売りの
牛丼の吉野家は見事に回復しました。

決算期もほぼ同じで同じ飲食チェーン店でも
吉野家は粗利率60%後半をあげています。

当然コロナで厳しかったですが、直近期では
黒字転換しています。

■以前のブログ
『コロナからの回復!速い・上手い・いい価格吉野家』

コロナからの回復!速い・上手い・いい価格吉野家

 

(株)ペッパーフードサービスのバランスシート

最後に財務状態を表すバランスシートを図に
しました。


自己資本比率が20%です。
これは、以前より痛んでいるのでしょうね。

30%以上が企業経営で合格ラインなので
現在は落第状態です。

これが赤字を垂れ流すと、ここに計上され
更に率が下がりマイナスになるかもしれません。

その状態を「債務超過」と言います。

ここまで来ると洒落になりませんね。

今がギリギリの崖っぷちです。

崖から離れるためには、「粗利率」を上げる事
です。

では、応援もかねて、いきなりステーキに
ステーキ頂きに行きますか!

がんばれ! いきなりステーキ!

いきなり黒字化になってくださいね

 

 

如何でしたでしょうか?

 

■今日の質問

あなたは不透明な時代に
    どのように経営改善してますか?

お読み頂きありがとうございました。

 

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投稿者プロフィール

丸山 一樹
丸山 一樹
丸山未来経営研究所(経産大臣認定 経営革新等認定機関) 所長 /大手自動車部品メーカーを経て独立。中小企業の社長の「ビジョン」を言語化し経営数字で裏付けするキャッシュフロー経営導入支援が専門。
社長の「社外NO2」の役割を新入社員の給料以下の報酬で意思決定に関わるキャッシュフロー経営導入支援パートナーとして活動中。