キャッシュフローコーチⓇの丸山一樹です。

これからお話する事は、とある中小企業の経営者の会で

ご講演された社長が「ある基本」を知らなかったために

倒産・自己破産寸前まで追い込まれた真実の話です。

しかし、そこからV字回復するにまで至りました。

今は社員と共に精神衛生上も快適に経営に
取組んでおられます。

それはあるシンプルな考え方に気づくか否かです。

またそれは知っているか? 知らないか?
でもあります。

ですから、このブログを読んで
知っちゃてください。

 

KKD(経験と勘と努力)から数字の管理へ

ご講演頂いた社長は40代初めに勤務していた
製造メーカーが資金繰りが回らずに倒産されたそうです。

この社長を仮にA社長と呼びましょう。

その時に取引先の社長が、A社長に

「A君、君が独立してウチの仕事をやらないか?」
とお声をかけてくださったそうです。

最初から取引先が(売上が)確保されている状態です。

1年間は個人事業主として独りで、小さな工場を立上げ
細々と生産活動をしていました。

当然創業融資を借りてです。

1年して軌道にのると多忙となり、法人化し、社員を雇い入れ
更に追加で銀行から融資を受けて設備を購入しました。

A社長の真面目な人柄と仕事ぶりで、年々売上高は
5千万、6千万、7千万円と増加していったそうです。

社員も設備も増やし、周りから
「成功している青年実業家」に見られていたそうです。

しかし!

売上は増加している一方で業績は赤字で
それが増えるばかり。

かろうじて利益が出ていても経常利益率1%台。

この状態が、5期も6期も続くとどうなるか?
想像に難くないですね。

 

売上あげればいいじゃん

もともとA社長はサラリーマンで、いきなり

倒産した会社の仕事を引き継いだわけですから

「経営」の勉強や経験を積んで独立したのではありません。

ですから独立当初はこんな感じだったそうです。

・売上を上げ続ければいつか楽になるよ。

・結果は頑張れば後から付いてくるよ・・・

・決算書の勉強をしている暇があれば、
営業に行った方がいいでしょう!

・うちは技術力勝負だから・・・

・嫁がしっかりしているから大丈夫

身に覚えがありませんか?

こんな感じで、「いつか」会社にお金が沢山残り、
自分も社員も良い生活ができるのを夢見て頑張っていました。

しかし、いつになってもその「いつか」は来ません。

その逆で、年々、日に日に事態は悪化して行ったのです。

 

資金が枯渇する

「売上さえ上げれば良い」そんな状態で数年間

赤字が続いた結果、やがて病魔は目に見える形で

A社長に襲いかかります。

完全に「お金の入りと出のバランス」が崩れているので

取引先から入金があると直ぐに社員への支払い、

仕入先への支払い、銀行への返済と自転車操業状態です。

そしてこの自転車操業さえ崩れ始めます。

・仕入先へ詫びを入れ、支払いを待ってもらう。

・社員への給料の支払いを数日待ってもらう。

当然銀行への返済も苦しくなり、
そこで初めて銀行に相談されたそうです。

決算書をみながら銀行と出した結論は、
会社を継続させるなら、借入の条件変更
(リスケジューリング)です。

利息だけ支払って、元金返済を猶予してもらうのですね。

もの凄いエネルギーの消費です。

それでも「売上さえ上げれば、いつか」
の考え方は変わりませんでした。

 

2度目のリスケ、自己破産も考える

その後も売上自体は伸びて行きました。

リスケしているので、少しは資金繰りは
楽になったようですが、それが、更に火に油を注ぐ
事態になります。

新たな売上の糸口をつかみ、リスケ中の銀行に
運転資金の融資を申し入れます。

銀行に「絶対に大丈夫です!」と交渉し
融資が実行されます。

しかし、襲い掛かる様々な「支払いと言うお金の出」に

絶えられず、なんと半年も経たないうちに

銀行へ2度目のリスケを申し入れる事になります。

銀行から「当行は事故にあいました

こんな嫌味をいわれ、A社長の報酬は
年間200万円に制限されたそうです。

支払いの滞納は

・銀行へ2度のリスケ
・仕入先への支払い
・社員の給料の遅配
・公共料金の滞納
・税金の滞納
etc

こんな状態が続き、A社長は昼は出社せず、夜間に
仕事をするようになりました。

なぜって?

昼間会社にいると、催促や取立の電話
がかかって来るからです。

そして、遂に年末の給料が社員へ払えず、
年越しになる事を告げます。

当時社員は2人だったのですが、その2人は
悪い事に会社で、出会った夫婦だったのです。

「この家族に年越しのお金も払えない。果たして、
仕事はじめにこの2人は出社するだろうか?」

そんな思いが駆け巡ると共に、「自己破産
も考え始めます。

年が明け、A社長の心配とは裏腹に、
その社員は出社してきます。

取引先からの入金を、直ぐに給料にあて
平謝りをすると、その社員から

社長、この先会社をどうするつもりですか?」と

真剣な表情で問い詰められたようです。

当然、的を得た回答が出来ず、
先輩社長に相談する事になったのです。

その先輩社長は、自分の会社へA社長と社員2人を
呼んで、幹部社員も巻き込み、この先A社長がどうすべきか
一緒に考えてくれたそうです。

このありがたい行為と申し訳ない気持ちが
相まってA社長は、その場で土下座して
2人の社員に謝ったそうです。

そして、先輩社長と幹部社員も巻き込んで
議論した結果、

数字に責任を持つ事が社長の一番大事な仕事
にA社長は気づいたのです。

やはり持つべきものは友であり仲間ですね。

この時点で「自己破産」はどこかに
飛んで行ってしまったようです。

自分の意志で数字を作る。
それには自社の儲けの構造を知る!

今までのA社長は

「売上さえあれば、会社にお金が残る」

という取引先の注文に依存した経営でした。

それは全く真逆で、先に会社に残るお金を決め、
それに見合った売上を作る事が経営だと気づきました。

それに気づかせてくれたのが、冒頭の図です。

「お金のブロックパズル」です。

A社長は,この図に衝撃を受け独学で学びました。

1年後の翌期に繰越せる現金を社長が決め、

そうなるために逆算思考で利益、固定費、売上の構造を

自ら作る」

この事を実践され、取引先、商品をそれに見合ったスタイルに
変えていったのです。

結果、売上は下がったが、経常利益率14.9%を達成できました。

そして、リスケ中の銀行に返済計画を
提出し受理されたのですが、

「当行は事故にあいました」

と言った銀行員達が顔を見合わせ

「なぜ、短期間でこんなに変わったのですか?」
興味深く聞いてきたそうです。

一番の変化は、実際の会社のお金の運用は社員に
任せた事だそうです。

そうあの2人の社員の1人です。

いままでは、会社のお金の財布は全て
A社長が握っていましたが、

社長は会社のビジョンとそれに基づいたお金の構造さえ
決めれば、あとは思い切って任す事で社員に主体性や
信頼が芽生えることに気づいたのですね。

今でも銀行へのリスケは残っていますが、
先の見通せる返済計画ができ、
社員数も5人に増え、ビジョンに基づいた
生産・販売活動に活き活きとされているようです。

 

 

*********************編集後記************************

お金のブロックパズルを使って、見事V字回復した実在する
感動のストーリーでした。

A社長に大きな気づきを与え成果を出したお金のブロックパズルに
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儲けとは、「信じる者」と書きます。

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投稿者プロフィール

丸山 一樹
丸山 一樹
丸山未来経営研究所(経産大臣認定 経営革新等認定機関) 所長 /大手自動車部品メーカーを経て独立。中小企業の社長の「ビジョン」を言語化し経営数字で裏付けするキャッシュフロー経営導入支援が専門。
社長の「社外NO2」の役割を新入社員の給料以下の報酬で意思決定に関わるキャッシュフロー経営導入支援パートナーとして活動中。