一つの金融機関から「融資を断られたから、もう借りることはできない」と
諦める必要はありません。

昨年の事ですが、金融庁は、現在使用している「金融検査マニュアル」
を刷新して金融機関への検査・監督を抜本的に見直すことにしました。

今までは、不良債権の扱いや管理体制の不備を細かくチェックする
手法だったのですが、これからは、金融機関の抱える問題に対する
本質的な解決策を探るための道具に鞍替えするとのことです。

これを「金融仲介機能のベンチマーク」と言うタイトルで方針を発表しました。

とはいえ、金融検査マニュアルに謳われている「債務者区分」
という考えがなくなるわけではありません。

金融仲介機能のベンチマーク発表により、「格付け」よりも「将来性」を重視して
融資することを推進しているものの、「その他要注意先」「要管理先」
といった経営不振先に対する融資は、依然、消極的になっているのが現状です。

しかし、「事業性評価」という考え方に基づいた融資であれば、
「その他要注意先」や「要管理先」でも、
借りることができる可能性は残されています。

(それでも、「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」が
融資を受けるのは難しいと思います)

経営不振の会社が融資して貰う5つの方法

5つのことを伝えることができれば、「その他要注意先」や「要管理先」
といった経営不振先でもが融資をしてもらうことは可能になります。

その5つとは、

1.決済の確実性を伝える

2.新たな収益機会の獲得の可能性を伝える

3.業績回復の見通しを伝える

4.自社の成長可能性を伝える

5.知的資産について伝える

です。

1.決済の確実性を伝える

経営不振な会社でも、「キチンと返してくれる可能性」が高ければ、
金融機関は融資を検討してくれます。

例えば、「取引先から急に大口受注があった場合の仕入れ資金」
という案件の場合、その受注による売上が確定しているため、
その入金予定日を返済期日とした「短期貸し出し」は可能になります。

決済の確実性の説明する資料を1枚準備するようにしましょう。

2.新たな収益機会の獲得の可能性を伝える

現在の事業では、正常な返済ができない「リスケ」をしている企業でも、
新たな事業に取り組むことにより、収益機会の獲得ができると判断すれば、
金融機関としては、融資可能となります。

その場合は、新たな事業が確実に収益を生むことができる根拠を
示すことが必要になります。

3.業績回復の見通しを伝える

例えば、売上の大きなウェイトを占める主力取引先の倒産があった場合、
一時的に売上が激減するために、赤字になることはよくあります。

前期の業績が悪かったため、融資を見送られた場合でも、新たな販路開拓等で、
なくなった売上の確保が可能となる場合は、業績回復の根拠を
具体的に伝えることで、融資してもらえることは可能になります。

4.自社の成長可能性を伝える

この「成長可能性を評価して融資すること」が、
「事業性融資」の真骨頂でしょう。

例えば、下記のような内容をアピールすることで、
金融機関は事業性評価融資をしやすくなります。

◯新商品・新サービスの開発や今後の販売状況を踏まえた事業計画書の作成

◯特許権・実用新案権を背景とした新規受注契約の状況や契約見込み

◯技術力や販売力に関する中小企業診断士等の評価

◯取扱商品やサービスのプレスリリース記事

◯市場規模や市場シェアの拡大可能性

◯競合優位性

5.知的資産について伝える

知的資産経営報告書」とは、企業が有する技術、ノウハウ、人材など
重要な知的資産の認識・評価を行い、それらをどのように活用して
企業の価値創造につなげていくかを示す報告書です。

「知的資産経営」はブログ「A3 1枚で経営力が向上する 政府の支援策」を参照下さい
https://mirai-keieiken.com/wp/meti-manegement-help/

過去から現在における企業の価値創造プロセスだけでなく、
将来の中期的な価値創造プロセスをも明らかにすることで、
企業の価値創造の流れをより信頼性をもって説明するものであり、
この「知的資産経営報告書」を提出することにより、
金融機関は事業性評価融資をしやすくなります。

一つの金融機関から「融資を断られたから、もう借りることはできない」
と諦めることはありません。

「返済可能性がある」という資料を作成することで、
別の金融機関から融資をしてもらえたケースはたくさんあります。

事業性評価融資に是非トライして見てください。

社長お独りでやられても良いし、私の様な専門家と二人三脚でやる方法も
あると思います。

投稿者プロフィール

丸山 一樹
丸山 一樹
丸山未来経営研究所(経営革新等認定機関) 所長・非特定営利法人 日本経営士協会 首都圏支部役員 /大手自動車部品メーカーを経て独立。中小企業の社長に「ビジョン」の言語化と「キャッシュフロー経営」を用いて実現を後押しする。
社長の「社外NO2」の役割を新入社員の給料以下の報酬で意思決定に関わるキャッシュフローコーチⓇとして活動中。