「脱★下請け経営者への道」は毎週月曜日に更新します。

 

お楽しみに!

 

下請けの現状と問題

 

前ブログで5年後、10年後経営環境は大きく変化する事を

 

マクロの視点で描いて来ました。

 

この章では、中小企業が殆どの下請け会社の現状と問題点を

 

明らかににします。

 

「プロローグ」でもご紹介しましたが、私は自動車部品メーカーに

 

長く在籍しましたので、その経験から自動車部品業界の事例で解説します。

 

他業界の方にも参考になると思いますので、

 

今後の事業活動の気づきになれば光栄です。

日本の自動車産業の現状

 

自動車は1台約3万点の部品で構成されています。

 

それは1次取引先(Tier1)と言われる

 

部品メーカーが自動車の生産に合わせて自動車メーカーの工場へ、

 

日々部品を供給しています。

 

例えばインパネ廻り、エンジン廻り、足廻りの様にカテゴリー別に

 

1次取引先が構成され、デンソー、アイシン精機、ブリヂストン

 

と言った大企業が多数占めます。

 

経済産業省がまとめた

 

(下記URL)にも表記がある様に出荷額は主要産業の約2割(52兆円)

 

www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/GB/04.pdf

 

で就業人口は全体の約1割の雇用(約550万人)を占め、

 

自動車産業は正に日本の産業をけん引役と言えます。

 

また部品メーカーは1次取引先から2次、3次と

 

ピラミッド型で構成され裾野の広い産業なのが特徴です。

 

自動車産業全体の概況

 

自動車産業全体の概況をご覧ください。(URLの3ページ)

 

1990年対比で2014年には国内での自動車生産が371万台減少しており、

 

逆に海外生産は1,420万台増となっています。

 

1990年代以降は80年代の日米貿易摩擦の延長で

 

日本の自動車メーカーが北米での現地生産を余儀なくされ工場を建設した事と、

 

2,000年代は中国への生産工場進出が海外での生産が増えている要因です。

 

一方、国内に目を向けると1990年代後半は国内生産台数1千万台が安定的に推移し、

 

国内向け約6割、輸出向約4割が計画通りに生産されて来ました。

 

しかし、2014年は1千万台割れとなっています。

 

(2015年も927万台で更に悪化)

 

驚くべき事は1990年代対比で国内向が234万台減少しています。

 

この要因は長引くデフレによる買い控え、少子高齢化による生産年齢人口の減少、

 

また最近では若者の車離れも影響しています。

 

日本の自動車生産台数全体を見ると急激な海外生産が功を奏して増えています。

 

また冒頭に挙げました1次取引先は自動車メーカーの海外生産に合わせ、

 

工場を進出させていますので、その恩恵に充分与れます。

 

資本力のある2次メーカーも同様です。

 

しかし中小企業が殆どである、3次メーカーとなると、

 

簡単に海外へ進出するわけにはいきません。

 

進出するだけの現状の「業量」と今後の受注の「導線」が、

 

確保されていないと立ち行かなくなります。

 

ちなみに私は自動車部品メーカー勤務時代に、

 

1次取引先が海外に生産工場をシフトし部品を現地調達され、

 

生産物が無くなったり、借入をして中国に工場を建設したが、

 

技術開発力が乏しいために、その後受注が激減し資金が底をつき

 

倒産した3次メーカーを15社程見てきました。

 

国内自動車生産台数の見通し

 

5年後、10年後の国内自動車生産台数はどうなるでしょうか?

 

経産省資料の「自動車マーケットの将来予測」の図をご覧ください。

 

世界の生産台数は現状の2015年で約8千万台。

 

5年後の2020年には1億台に近づき、

 

10年後の2025年には1億台を突破しています。

 

しかし、中身を見てみると国内は横ばいが続き、

 

緩やかに右肩下りを示しています。

 

欧州、北米も似たような曲線です。

 

かたや中国、インド、タイでは右肩上がりとなり、

 

今後の市場のリード役となりそうです。

 

当然自動車メーカーはこれらの国の既存工場の生産能力増強を行い、

 

新たな工場建設も行うでしょう。

 

「車は売れる所で造る」が原則なのです。

 

そうなると国内生産向けを主力にしている、

 

3次メーカーの将来はジリ貧と言う事になります。

 

中小下請けビジネスモデルの問題

 

第1章でご紹介した日本の今後の少子高齢化と言うマクロ的視点と

 

この章での自動車業界での視点から、

 

元請けから流れて来る仕事を待っているだけのビジネスモデルでは

 

立ち行かなくなる事は明白だと言う事にお気づきになったと思います。

 

高度経済成長期の業量がある時代に確立した、

 

「下請け」と言うピラミッド型のビジネスモデル。

 

自社の技術やサービスをピンポイントで特定の業界や会社に提供する事は

 

コストを抑えられる利点から効率的なビジネスモデルです。

 

しかし、ピラミッドの頂点に立つ元請は販路を海外へ移し、

 

現地で部品調達する事が今後加速します。

 

ならば、あなたも海外に打って出ますか?  

 

少ないパイを取り合う事でシェアを上げるため値下げ競争に明け暮れますか?

 

それとも自社の技術を活かして、他のマーケットを切り開きますか?

 

本当の問題は、元請から仕事が待っているだけで流れて来た体質ではないでしょうか?

 

今こそ TOPであるあなたが、信念を明確にし、ビジョンを描く事が必要となるのです。

 

〇本日の問いかけ

あなたの会社の本当の問題は何ですか?

投稿者プロフィール

丸山 一樹
丸山 一樹
丸山未来経営研究所(経営革新等認定機関) 所長・非特定営利法人 日本経営士協会 首都圏支部役員 /大手自動車部品メーカーを経て独立。中小企業の社長に「ビジョン」の言語化と「キャッシュフロー経営」を用いて実現を後押しする。
社長の「社外NO2」の役割を新入社員の給料以下の報酬で意思決定に関わるキャッシュフローコーチⓇとして活動中。